ネットの真実

「なににもまして重要だというものごとは、なににもまして口に出して言いにくいものだ。それはまた恥ずかしいことでもある。なぜならば、ことばというものは、ものごとの重要性を減少させてしまうからだ----ことばはものごとを縮小させてしまい、頭の中で考えているときには無限に思えることでも、いざ口に出してしまうと、実物大の広がりしかなくなってしまう。だが、本当はそれ以上のものだ。そうではないだろうか?なににもまして重要だというものごとは、胸の中に秘密が埋もれている、その近くに在るものだ。敵がこっそりと盗みだしたがっている宝のありかを示す目印のように。もしかすると、自分でもなにを言ったのかわからないままに、あるいは、ほとんど泣かんばかりに話をしながら、自分はなぜこんなことを重要だと考えていたのだろうと疑問に思いつつ、打ち明けてしまうかもしれない。その結果は、人々の名状しがたい奇妙なまなざし、という高い代価を払うことにしかなるまい。それは最悪だとわたしは思う。秘密というものは、語り手が不足しているからではなく、聞きとれる耳が不足しているからこそ、ひめやかに埋もれたままでいるのだ。」スティーヴン・キング原作、山田順子訳「スタンド・バイ・ミー〜恐怖の四季 秋冬編〜」より

昨今の時代は便利になって、インターネットで簡単に情報が得られるようになりました。しかし、そこには大きな危険性が存在することをよく考えておかなければなりません。

それは、ネット上の情報は、故意か不注意か、信ぴょう性が劣ることがある、という一点以外に、上記のキングの言葉にもあるように、人は本当に大事な情報はそう簡単には他人にはオープンにしないものだ、という事実であります。

誰が、どのような状況で、なにを目的にその情報を流しているか、その情報の出所はどこか、信頼性はどれぐらいか、そして、本当にその情報は正しいと言えるのかどうか。

簡単に手に入れられるような情報はそれだけのものだと常に考えておかないといけません。昨今はスマホ中毒で、ネット情報マニアのような人々が増えております。別にそれでもいいんですが、本当に大事なことは相手の目を見て、真剣に訴えて教えを乞う、という基本を忘れないようにしたいものですね。(稀有の詐欺師で直接会ってころっと騙されるということもありますが、それを言い出したらわけわかりませーん。)

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