発見の手帳

私が中学生だった頃、現代国語の教科書に、「発見の手帳」という話が載っていました。

亡くなられた梅棹忠夫先生が書かれた「知的生産の技術」という岩波新書から抜粋した一文でした。当時は梅棹先生は京大教授で、その後国立民族学博物館の館長として活躍されたのは有名な話です。

発見の手帳については、下記のサイトに記されているので参照ください。

http://d.hatena.ne.jp/happs/20080605/1212665505

レオナルド・ダ・ヴィンチがいつも手帳を持ち歩いていて、なにか面白そうなことを見聞きすると、なんでもそれをメモするメモ魔だったことに触発された梅棹先生は、発見の手帳と称して、真似してなんでもメモするようになる。やがて、それが発展してカードに変化して、有名な「京大型カード」になっていくというものでした。

子供の頃から文章を書いたり読んだりするのが大好きだった私は、知的生産の技術という本にのめり込んで何度も何度も読み返しました。そして、これを真似してメモ魔になって、京大型カードやその他あらゆる種類のカードや手帳を使ってきたものでした。

今では、それがすべてiPhoneひとつでまかなえます。iPhoneというのは、メモ機であり、検索自在な電子辞書であり、カメラであり、ビデオであり、ラジオが聴けて、ミュージックも聴けて、クリッピングしてファイルできる、万能マシンであります。私は必要としませんが、電話さえできるというスグレモノです。

今から50年前に梅棹先生が、ひらがなタイプライターを使って日本語をタイプしようと努力されたのが、35年ほど前にワープロというものが出来て、その後もパソコンの発達を経てついに現代に至って手のひらにおさまる小さなiPhoneというマシンでなんでもできるようになった、この驚くべき時代の進歩を実体験できた私は本当に幸せな人間です。

手塚治虫先生が描いた輝かしい21世紀とは現実の世界は全く違っていますが、個人レベルでは今の時代というものに私は大変満足しております。

ということを発見できたのは、今年一番の収穫でしたね。

発見の手帳・・・いつまでもなににでも好奇心をもって、毎日楽しくなにかを発見していきたいものです。

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