歴史には学べない

「歴史に学べ」とよくいわれますが、はたして本当でしょうか?

私の高校時代の恩師の世界史の渋谷和夫先生が仰っしゃっていました。
「歴史に学べというが、世界に一回しか起こらなかったことばかりだから、当てにならない。」と。

まさにこれは名言です。世界史の奥義を極めた先生の究極の結論です。

歴史、これは、あとで振り返ったもので、その時その時は現実なわけです。現実は小説よりも奇なり、ではありませんが、今現在でもとても頭の中で考えたり予測したりできないことが多発しております。そんな現実が時間が経つと歴史になっていくわけです。

ただしくは、「歴史というのは実際に過去に現実に起こったことである。後世の人間がそれを傍観してあれこれいうのはおこがましいが、何かの参考にすることはできる。」ということでしょう。

人間の個体が消滅を繰り返している限り、真の意味での人類の進歩というものはない、と私は常々思っていますが、これを証明する前に私自身も消滅します。私という個人について人が記憶したり書いたりすることは、ある程度当たっていても、記憶違いや誤解などもあって、完璧な私の記録ではありません。

ひとりひとりの人間に歴史があり、それがつながって現在に至っています。単に歴史、などとひとくくりにして物事を論ずるのはナンセンスですね。


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